作業療法士*の菅原洋平さんは、民間病院の精神科勤務後、国立病院機構にて、脳のリハビリテーションに従事。脳の回復には、睡眠が重要であることに着目して臨床実践を行ってきたといいます。睡眠関連の著書も多く、快眠の法則を伝授するエキスパートです。

*: 作業療法士(Occupational Therapist / OT)とは、厚生労働大臣から免許を受け、全国の病院などリハビリテーションを行う施設で「作業療法」を行う国家資格です。身体・精神の障害により日々の生活に支障が生じてしまった方が、快適に自分らしく生きていけるようリハビリのお手伝いをするのが、作業療法士の仕事です。

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菅原洋平 あなたの仕事を変える睡眠の法則
第4回は…

午後の会議を乗り切るために

午後の眠気の正体とは?

昼休みを終えて「さて、午後もがんばるぞ!」と気分よく仕事に臨んだはずなのに、30分もしないうちに頭がぼーっとしてウトウト…。

午後に眠くなるのは、食後のせいだと思われがちですが、実は、食事とは関係ありません。私たちの脳には、午後眠くなる仕組みが備わっているのです。

睡眠を司る生体リズムの1つに、「睡眠―覚醒リズム」があります。このリズムにより、私たちの脳は1日に2回、起床から8時間後と22時間後に眠くなります。6時起床の場合、14時と朝4時です。1回目は昼過ぎの時間に眠くなり、2回目は例え徹夜や眠れなかったとしても、明け方にウトウトした経験がある人も多いと思います。

この脳が眠くなるリズムは、脳が疲れ切って眠るわけではなく、自らを積極的に眠らせていると考えられています。脳は身体全体の約20%のエネルギーを消費していますが、午後の眠気は脳がよりよく働くための1つの戦略なのです。

睡眠負債はうっかりミスのもと

「睡眠―覚醒リズム」は、脳に溜まる睡眠物質によってつくられていると考えられています。

私たちの脳は、目覚めている限り脳脊髄液の中に睡眠物質が溜まっていきます。これが充満すると睡眠がスタートして睡眠物質は分解されます。そして目覚めるとまた睡眠物質が溜まっていく。私たちが、起きて眠ることを繰り返すのは、脳にとっては睡眠物質を溜めて分解する繰り返しです。

では、 脳に睡眠物質が溜まって眠くなったのに眠気をやり過ごしてそのまま起き続けているとどうなるのでしょうか。

溜まったのに分解されなかった睡眠物質は、「睡眠負債」と呼ばれます。つまり、脳の借金です。「睡眠負債」が溜まった脳の画像を見ると、見たり聞いたり触ったりして事実確認をする役割の頭頂葉の一部が働かずに、過去の経験に基づいて考えて行動する部位である前頭葉の働かなくてもよい部位が勝手に働いている様子が映ります。

つまり、事実確認せずに憶測で行動している脳であり、これがうっかりミスの原因だといわれているのです。

短い仮眠で午後の脳をスッキリ!

効率よく睡眠物質を分解してうっかりミスを防ぐために、起床6時間後のお昼休みを狙って、1分~30分程度の短い仮眠を取り入れてみましょう。戦略的に仮眠をして、午後の脳をスッキリさせましょう。
(文・菅原洋平)

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スイは、午後の仮眠は得意だぐぅ。

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菅原洋平(すがわら ようへい)
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。
国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許を取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて、脳のリハビリテーションに従事。脳の回復には、睡眠が重要であることに着目して臨床実践をする。

著書
『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)
『やる気がでる!超睡眠法』(宝島社)
『誰でもできる!「睡眠の法則」超活用法』(自由国民社)
『「いつも眠い~」がなくなる 快眠の3法則』(メディアファクトリー)など

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ユークロニア株式会社

バックナンバー
午後の会議を乗り切るために
朝5分 光の法則 Part2
朝5分 光の法則
4-6-11の法則

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