ぐっすりコラム

NPO睡眠文化研究会事務局長 鍛治恵さんによる“明日のパフォーマンス”を全開にする快眠レシピ!

今年の夏は猛暑?

もうすぐ寝苦しい熱帯夜がやってきます。良質な睡眠を目指す睡マーの皆さんでも、夏が苦手という方は多いのではないでしょうか。

今年6月、気象庁は2014年に発生したエルニーニョ現象が終息し、8月までにラニーニャ現象が発生する可能性があると発表しました。このラニーニャ現象が発生すると、日本付近では太平洋高気圧に覆われやすくなり、平年よりも暑い夏になるというのです。

ちなみに、最高気温が25℃以上の日を夏日、30℃以上の日を真夏日、35℃以上の日を猛暑日、そして、夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上になる夜を熱帯夜といいます。

なぜ夏は寝苦しい?

そもそもなぜ、夏の夜は寝苦しいのでしょう? それは、日本の夏の夜が高温多湿で体温調節がうまくいかないからです。

人は、睡眠中は日中より、体の深い部分の体温が低くなります。眠るときは手足が温かくなり、その手足の熱を逃がすことで体と脳が休息状態になり眠りに入るのです。

ところが、気温と湿度が高く、汗も蒸発しにくい状態だと、深い部分の体温の低下がうまくできず、なかなか眠りに落ちないのです。

そこで今回は、睡眠改善インストラクター鍛治恵さんによる、猛暑を乗り切るための快眠レシピをお届けします。

ぐっすりその4 【寝苦しい夏を乗り切る快眠のコツ!】

夏こそ、ぬるめのお風呂!

これは夏だけではありませんが、体の深い部分の体温を低くするためには、体を温めればいいのです。人の体には、いったん温めると、「元に戻そうとする」という働きがあります。温めることで、体温を下げるきっかけをキャッチできるというわけです。

その大本命が、「お風呂」

ただし、熱いシャワーはNG。高すぎる水温や皮膚への刺激で、かえって目が冴えてしまいます。

寝る前に体をゆっくりじんわり温めれば、自然と眠気がやってきます。夏こそ、就寝2~3時間前、ぬるめのお風呂に、ゆっくり入りましょう。

吸湿性、通気性に優れた寝具を選ぶ!

夏は一年中でいちばん汗をかく季節。そのせいで、布団のなかの環境も大きな影響を受けます。吸湿性の低い寝具で寝ると、体がグショグショになってしまって大変!

ここは、グングン汗を吸い取ってもらえるよう工夫したいところです。

一方、発汗は必要なことでもあります。

汗がでることによって、体温は0.5~1℃ほど低下します。この体温低下は、眠りにつくために欠かせない条件。冷房のきかせすぎや、「暑いから何も掛けずに寝る」といった方策はNGです。

そう考えると、寝具は「温度を下げすぎず、湿度を上手に取り除く」ものが理想。シーツや掛け布団の素材は、吸湿性はもちろんのこと、吸い取った汗を上手に外に出す「通気性」にも優れたものを選びましょう。

綿や麻の素材がおすすめ!

カバーやシーツのおすすめ素材は綿や麻。麻のシャリシャリ感は、暑い夜を快適に過ごさせてくれます。

布の「織り方」も大事なポイントです。同じ綿でも、タオル地やガーゼはとりわけ吸湿性抜群。表面がデコボコしているサッカー地やリップル地も、肌との接触面が小さくなることによって通気性が増すスグレモノです。

氷枕や保冷剤でクールダウン!

熱帯夜に役立つのが、氷枕です。きちんと凍らせておくと、数時間は冷たさをキープしてくれます。ただし、直接頭に当てるのは刺激が強すぎ。タオルなどでくるんで、冷たさを調整するとよいでしょう。

氷枕がない場合でも、冷蔵庫についつい貯まりがちな保冷剤を活用できます。こちらは眠りにつく前に、短時間で効率よく体を冷やすのに便利です。

首の横、脇の下、足の付け根など、大きな血管の通る場所を、冷たさを調整しながら冷やしましょう。そこから適度に冷えた血液がめぐるので、体全体の火照りをスピーディに鎮められます。ただし、氷枕も保冷剤も、神経の集まる首の後ろは冷やさないよう注意しましょう。

そばがらやパイプ素材など、空気を通す枕がおすすめ!

冬なら心地よく感じる羽毛のふんわり枕も、カッカした頭を載せていると熱を持ってしまいがち。夏だけは、固めで通気性のよい枕が快適です。

おすすめは「そばがら」。冷たい感触はもちろん、吸湿性の良さも抜群です。

その秘密は、形状にあり。そばがらのひとつひとつをよく見ると、「まきびし」や「ベンツのマーク」のように三叉に分かれた立体的な形をしています。そばがら同士の間に空間ができるので、空気をスムーズに通せるのです。

同じく、「パイプ枕」もスグレモノ。ストローを輪切りにしたようなプラスチックの輪っかが詰まった枕です。水洗いができて衛生的。

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ほどよい風を部屋に循環させよう!

全身が火照って寝苦しい熱帯夜。ついつい冷房の温度設定を下げたくなります。しかし、冷房に頼りすぎると、「体の冷え」を呼び寄せてしまう可能性があります。

手足の冷えは眠りの大敵。寝入りばなに手足から熱を発散することができないため、深部体温はホットなまま。寝つきも悪くなってしまいます。

そこで、「寝苦しくなく、かつ体にやさしい」冷房の使い方をマスターしましょう。

その秘訣は、「気流との合わせワザ」。エアコンをつけながら、同時に扇風機やサーキュレーターを回して、空気を循環させるのです。

エアコンは28℃前後くらいの高めの温度設定で、3時間程度で切れるようタイマー設定。熱帯夜で睡眠がとりにくい場合は、タイマー設定時間を6時間に延長して睡眠確保しましょう。扇風機は、一晩中回してもOKです。

なお、このとき風を直接体に当てないよう注意しましょう。エアコンの風の先に扇風機を置いて、部屋全体に風を回すようにするのが、冷えを防ぐコツです。

監修:NPO法人睡眠文化研究会事務局長 
睡眠改善インストラクター
鍛治 恵(かじ めぐみ)
東京生まれ。1989年ロフテー株式会社入社後、快眠スタジオにて睡眠文化の調査研究業務に従事。1999年睡眠文化研究所の設立にともない研究所に異動後、主任研究員を経て2009年まで同所長。睡眠文化調査研究や睡眠文化フォーラムなどのコーディネートを行う。2006年、睡眠改善インストラクター認定。2009年ロフテー株式会社を退社しフリーに。同年10月から独立した活動を開始し、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。2016年、京都大学で開催される「ねむり展」(4月6日~6月26日)および「ねむり展」関連イベント「京都で眠ろう」でコーディネーターを務める。

NPO法人 睡眠文化研究会WEBSITE

334611-1

参照元:鍛治恵著「ぐっすり。明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60」(新潮社)

suichan
スイも、そばがら枕で寝たいぐぅ。

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