起こし屋 ”ノッカー・アッパー” に起こされていた
産業革命の時代

marysmith
『メアリー・スミス』 アンドレア・ユーレン作 千葉茂樹訳 光村教育図書

今朝はどうやって起きましたか? スマホの目覚まし時計? 親に叩き起こされた? 朝の起き方は千差万別です。

目覚まし時計は、昔は非常に高価なものでした。では、みんなどのように起きていたのでしょう。

イギリスの都市部では産業革命当時、1770年代から1950年ごろまで、起こし屋「Knocker Upper」という商売があったのです。一部の地方では1970年代まであったと言います。起こし屋とは、どんな職業なのでしょう。

『メアリー・スミス』という、実在の人物をモデルにした絵本がその職業のユニークさを伝えています。

起こし屋は、朝早く、まだ日が昇る前に家を出て、契約した人の家の窓や扉を叩いて回ります。2階の窓を叩く時などは、とても長くて軽い竹でできた棒を使っていましたが、このメアリー・スミスさんのように豆鉄砲で窓を叩いていた人もいました。(しかもメアリーさんは吹き矢のように、チューブに乾いた豆を仕込んでプッ、とやるのです)

そして、契約者が窓を開けて「起きたよー」と声をかけるまで、何度も繰り返し窓を叩きました。報酬は、当時のお金で週に数ペンスでした。ちょっとしたお小遣い稼ぎです。起こして回るついでに、ガス灯を消す仕事を兼任する人もいました。

絵本『メアリー・スミス』を読むとわかるように、起こしてもらう契約者は、例えば駅の車掌さん、パン屋さん、市長さんなど、近代の「時間」を重視して働かねばならない人たちです。産業が変化するとともに、時間にぴったりであることが求められました。それでも目覚まし時計は高価だ、というギャップを、人の手で埋めていたんですね。

山田五郎さんのインタビューでも近代から現代へと産業化が進むにつれ、睡眠が管理されてきたとの指摘もあります)

それにしても、豆鉄砲で毎日起こされるなんて、そんな起こされ方だったらあっという間に起きてしまいますね。

suichan-cmt-07
起こし屋さんが寝坊したら町中大変なことになるから、責任重大!

参照
書籍 『メアリー・スミス』 アンドレア・ユーレン作 千葉茂樹訳 光村教育図書
BBC | Knocker uppers: Waking up the workers in industrial Britain

この記事のキーワード:

睡眠の大切さに少しでも目覚めたあなたはもう、
立派な睡マー
世界睡眠会議をフォローして
睡マーになりませんか!

ただいまの睡マさんは21973です。