眠りと目覚めの時間を知らせる、“眠りの妖精”とは!?

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私たちの脳内には“眠りの妖精”が潜んでいた――。

メルヘンチックな書き出しで恐縮なのですが、ネタバレを先にしますと、眠りの妖精の正体は、脳神経細胞の内外でイオンを通すトンネルのようなタンパク質の「イオンチャネル」というものです。

このイオンチャネルの別名を「Sandman(睡魔)」といい、子供の目に砂をまいて眠気を催させるというドイツ伝承の妖精の名前にちなんでいます。
結論からいうと、このタンパク質が私たちに眠りと目覚めの時間を知らせる、いわば“睡眠スイッチ”の役割を果たしているのです。

私たちの睡眠はふたつのシステムによって制御されています。ひとつは、日光や温度変化などの環境変化に対応するいわゆる体内時計 (サーカディアンリズム、生物時計ともいう)です。

この体内時計やサーカディアンリズムについてはこれまでに様々な研究発表がなされてきたのですが、それだけでは、ヒトはなぜ睡魔に襲われるか、という謎の解明には至っていません。

そこでカギとなるのが、もうひとつのシステムである睡眠ホメオスタットです。

「睡眠ホメオスタットは脳内で何かを測っている。それが何かはまだ判明していないが、その何かが一定の基準に達すると私たちは眠りのスイッチが入る。そして眠りによってその値がリセットされ、また目が覚めたときに新しいサイクルが始まる」と、この研究結果を発表した英オックスフォード大学のジェロ・マインセブク教授は話します。

同教授らのチームはミバエ(ハエの仲間)を使った実験を行いました。ちなみにミバエは過去に体内時計が発見された際にも利用され、睡眠の研究とは大きな関連があります。

研究内容の詳細についてはかなり複雑なので省略させてもらいますが、このミバエの脳神経細胞内に、“眠りのスイッチ”をつかさどる前出のイオンチャネルの一種であるカリウムチャネルを発見。カリウムチャネルが活発な時、ミバエは眠りに落ち、不活発な時は起きていることがわかったのです。

つまり、このカリウムチャネルが、睡眠ホメオスタットのサイクルをコントロールしているのです。

では、そもそも睡眠を制御するシステムの睡眠ホメオスタットは、脳内で一体何を測っているのでしょうか。

いくつかの仮説があるのですが、はっきりしたことはまだわかっていません。それも“眠りの妖精”を発見したマインセブク教授らの今後の研究により、近い未来に明らかになるのではないでしょうか。

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スイの他にも眠りの妖精いたなんて驚きだぐぅ

参照
Nature : Operation of a homeostatic sleep switch
iflscience! : Scientists Have Found The Switch That Sends The Brain To Sleep
Van Winkle’s : Scientists Discovered a “Wake-Up” Switch in the Brain

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