狩猟民と現代人の睡眠時間は意外と変わらない?

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1万年以上、狩猟採集の暮らしを守るタンザニア・ハッザ族の集落

太古の昔、まだ人類が原始的な生活をしていたころ、人間は日没とともに就寝し、日の出とともに起床。季節にもよりますが平均睡眠時間はずっと長く、“眠らない”現代人とは大違い—。近年までそのような通説がまかり通っていました。その通説の根拠となっていたのは、“電気”の存在です。

OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均睡眠時間は、男性が8時間18分、女性が8時間26分。日本では、男性が7時間52分、女性が7時間36分です。(2014年、OECD加盟国全34ヵ国中、26ヵ国のデータ)

良くも悪くも電気なしでは生活がままならない現代人は、電気によって夜間を“昼間化”。これまで研究者の多くは、夜間の灯りが現代人の睡眠不足につながっていると主張していました。

ところが、太古の昔と変わらないような生活を今でも送る狩猟部族である、アフリカ・タンザニアのハッザ族、ナミビアのサン族、南米・ボリビアのチマネ族の睡眠パターンを調査した結果が、研究者のそれまでの通説を覆すと話題になっているのです。

この調査は、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の睡眠学者のジェローム・シーゲル氏らのチームによっておこなわれ、科学誌『Current Biology(カレントバイオロジー)』に掲載されました。

結論からいうと、彼らの3部族の睡眠時間は、5.7時間から7.1時間。その平均睡眠時間は6.4時間。現代人の平均と比較しても1時間程度しか変わらないのです。

これは“日没とともに就寝し、日の出とともに起床”するには短すぎる時間です。もちろん彼らの生活に電気はありません。灯りといえば、太陽、星、そして火だけです。

調査に協力した3部族は、日没から平均3時間半で就寝し、多くが日の出の平均1時間前に起床したといいます。

しかもナミビアのサン族は朝寝坊体質で、夏は日の出の1時間後に起き出したそうです。また彼らの平均睡眠時間は7時間を下回っていますが、昼寝や日中のウトウトなど、寝不足を思わせる行動はなかったそうです。

では、日没後かなり経ってから就寝する彼らは、夜間、電気のないところで何をしているのでしょうか。

ボリビアのチマネ族は、食事、歓談、編み物、ときには狩りに出ることも。タンザニアのハッザ族は、友人や家族との触れ合いの時間など、この辺は電気があろうがなかろうが、我々の生活と変わらないみたいです。

今回のこの3部族の調査でわかったことは・・・

「交わることもない数千キロも離れた別々の部族で同様のパターンが見られたことから、これが人間の自然な睡眠パターン」、「現代社会では睡眠時間が大きく損なわれているといわれるが、それとは違う結果が見られた」ということ。

また「狩猟部族の睡眠は、光りよりも気温が関係している」。

これは、冬場は、夏場よりも1時間余分に眠るなど、気温が下がると眠りにつき、夜間の最も気温の低い時間帯に眠り続ける傾向がみられたからです。調査をしたシーゲル教授も「現代人も太古のような寒暖にさらされる生活を再現することで、眠りやすい体質になるかもしれない」といいます。

そして、この調査で一番大きな発見は「睡眠不足や睡眠時間の短さの原因は諸説あるが、必ずしも現代生活だけにあるわけではない」という可能性が示されたことです。

ちなみに3部族には「不眠」という概念がないらしく、この調査に協力はしつつも、最後まで何の調査かわかっていないようだったといいます。

以上のように、我々は睡眠に対してもう少しユルく考えていいのかもしれません。

suichan-cmt-12
狩猟民も現代の人も睡眠時間が変わらないなんて意外だぐぅ

Current Biology
http://www.cell.com/current-biology/home
Current Biology――Natural Sleep and Its Seasonal Variations in Three Pre-industrial Societies
http://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(15)01157-4

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