冬眠したいから冬眠について調べてみた

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冬眠する動物たち(ヒトを除く)

寒いですねー。こんなに寒いと冬眠したくなっちゃうよ、などと軽口を言っている人もいるかもしれません(わたしです)。

この冬眠、どの動物を連想しますか? クマ、リスなどが多いと思います。

ワニは冬眠する? いいえ、ワニなど爬虫類や魚類は、正確には冬眠ではなく休眠と言います。英語では、哺乳類の冬眠のことを「Hibernation」といい、爬虫類の冬の休眠は「Brumation」といい、区別されています。変温動物である彼らは、冬の間は土の中などで休眠をします。

哺乳類は体温を一定に保てる恒温動物なので、爬虫類の休眠とを区別しているんです。

では、鳥はどうでしょうか。鳥はあまり栄養を溜め込むことができないのと、「渡り」を行うことなどから、冬眠する鳥はいないのでは? いいえ、一部の鳥に冬眠をすることがわかっているのです。

北アメリカに主に生息するプアーウィルヨタカというヨタカ科の鳥は、冬の間数ヶ月ほど冬眠します。また、ほかにもヨタカ科の鳥は、冬眠する能力を持つことがわかっています。他の科目ではやはりなかなかいないそうです。

いやいや、哺乳類で、しかも、わたしが冬眠したいんだから、せめて同じ霊長類では冬眠するのはいないのかなぁ? 調べてみると、冬眠するサルが最近いることが分かったそうです。

2004年にアフリカ大陸のマダガスカルで、フトオコビトキツネザル(Fat-tailed dwarf lemur)という小さな可愛いサルが、木の穴で冬の間じっと眠っているのが発見されました。これが、世界で初めて発見された冬眠するサルです。

初めて、ということは、2番目はあるのか。あるんです。
2015年には、ベトナムでピグミースローロリス(Nycticebus pygmaus)というサルが冬眠するサルだということがわかりました。

つい最近まで知られていなかったのですね。

マウスを使った冬眠のメカニズム解明実験

冬眠のメカニズムはまだよくわかっていません。冬眠をするクマやリスなどをちゃんと測ることが難しいというのもその理由の一つです。

科学的には冬眠は「基礎代謝の低い状態:低代謝状態」をいいます。生物はみな、呼吸したり体温を維持したりするためにエネルギーを使っています。これは、もちろん寝ている時などでも行われています。

こうした生きるために必要な最小限のエネルギー消費を基礎代謝といいます。リスやクマなどは、この基礎代謝を、冬眠している時には正常時の1〜25%まで下げることができるのです。

こうした低代謝状態から、春には正常な状態に戻ることができるので、こうした一時的な低代謝を、医療などに利用できないかと研究が進められています。例えば、病気になった部分を低代謝にして維持する、とかです。

理化学研究所が2016年11月に出したプレスリリースによると、マウスを使って代謝が30%程度になる「休眠」状態へと誘導し、どのように哺乳類が低代謝になるのか、実験をしました。

その実験で、体温調節を司る「熱産生」(体温のもとになる熱を体の中で作り出すこと)の感度を低くすることで低代謝となることがわかりました。

自分が維持したい体温と実際の体温の差が広がれば、通常は熱をたくさんつくり体温を維持させようとするのですが、休眠を行う時にはその差が広がってもあまり熱を作り出そうとしなくなった、ということです。

ヒトに冬眠はできるか(おそらく)

さて、冒頭に戻って、ヒトは冬眠することができるのか?
この理化学研究所のような研究が進めば、夢ではないかもしれません。

2012年、スウェーデンの北部、ウーメオという地方で林道の中に埋まった車が発見され、雪に閉じ込められていた男性が救出されました。その男性は、なんと2ヶ月もの間、食料もなく雪を食べて生き延びていたのです。救出時には話すこともできなかったそうですが、回復に向かったそうです。

搬送された病院の医師は、男性が冬眠状態になったのではないかとコメント。「おそらく彼の体温は31度前後になっていて、体力の消耗もそのおかげで抑えられたのではないか」と。

こんな過酷な冬眠はあまり積極的にお願いしたくないですが、クマと同じように冬眠する能力はヒトにもあるのかもしれません。

冬眠できる科学の力を身につけたとしても、家族が許してくれるかどうかはまた別の問題ですが。

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コタツの中でぬくぬく寝るのは冬眠ではないからね!

参照
理化学研究所プレスリリース:休眠と冬眠の代謝制御機構の共通点を明らかに-能動的低代謝の臨床応用を目指して-
Nature:冬眠する霊長類がマダガスカル以外にもいた
ロイター:雪に埋もれた車に2カ月、食料なしもスウェーデン男性生還

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