やってみよう!快眠TIPS

自分に最適な睡眠が見つかる!「睡眠日誌」で眠りをチェック

「睡眠日誌」というものをご存知でしょうか? これをつけることで睡眠の問題点を発見・解消でき、自分に最適な睡眠時間や眠り方を見つけることができます。数項目記入するだけなので〝日誌なんて面倒くさい!〟という人でも大丈夫。質の良い睡眠がとれれば日中のパフォーマンスがアップし、人生がより豊かになります。
好評を得た6月特集記事「夏バテは睡眠で予防する!脳の疲労をためない夏生活のすすめ」をご指導くださった、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生のご協力のもと、同クリニックで実際に使用している睡眠日誌のシートを公開!そのポイントと活用法を教えていただきました。
 

今回教えてくれたのはこの方
梶本修身先生
東京疲労・睡眠クリニック院長、大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。
大阪大学大学院医学研究科卒業。医学博士・医師。産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」(2003~、研究予算16億円)統括責任者。
著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社)、『スッキリした朝に変わる睡眠の本』(PHP研究所)、他多数。

まずはチェック!あなたは「悪い睡眠」に陥ってない?

あなたは自分の睡眠に満足していますか? 朝、気持ちよく目覚めて、日中に自分の能力をしっかり発揮することができていますか?
睡眠不足は慢性化すると、自分では感じにくくなってしまいます。ちゃんと眠れていると思っていても、実は睡眠が足りていなかったり、睡眠の質が悪くなっている場合が少なくありません。

以下の7つの項目は、睡眠が足りていなかったり、睡眠の質が悪くなっているサインです。当てはまる項目がないか、まずはチェックしてみましょう。

■ いびきをかく
いびきは悪い睡眠のサインの代表です。いびきは気道が狭くなることにより息の気流が乱れ、鼻やのどが振動して出る音です。通常より呼吸によけいな労力がかかるため、自律神経がフル回転で働かなければならず、眠っているのに疲労が蓄積してしまいます。

■ 起床4時間後に眠気を感じる
体内時計のリズムでは、起床後4時間はしっかり目覚めていて眠気を感じない時間帯です。この時間帯に眠気を感じるのは、睡眠の質が悪くなっている可能性が大です。

■ 休みの日に昼まで寝ている
普段は朝早く起きているのに休日になると長く寝てしまうのは、平日の睡眠が十分でない証拠です。特に平日の起床時間と休日の起床時間に2時間以上の差がある人は要注意です。

■ うたた寝をよくする
日中にうたた寝をよくするのは、夜の睡眠の量が足りないか、眠りの質が悪いからと考えられます。なかには「うたた寝をしてしまうことで夜眠れなくなり、夜眠れないから日中眠くてまたうたた寝をする」という悪循環に陥っている場合も。

■ ベッドに入るとすぐ眠りに落ちる
本来、人が眠りに入るときは、ベッドに入ってから眠るまでしばらく時間がかかるのが自然です。ベッドに入ってすぐ、スイッチが切れるように寝てしまうのは、慢性的に睡眠不足に陥っている状態なのかも。

■ 寝汗でパジャマがびっしょり濡れている
人は睡眠中にたくさんの寝汗をかきますが、通常、その大半は発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失です。なのに全身に大量の寝汗をかいているのは、自律神経が夜中ずっと酷使されていた証拠。疲れがたまって睡眠の質が悪くなってしまいます。

■ 朝起きると首などに痛みを感じる
首が痛い、肩が痛い、腰が痛いなど、目覚めた直後に体に痛みを感じるのは、寝具が合っていない可能性が大。こういう場合は睡眠の質が悪くなるだけでなく、体にも負担がかかります。

いかがでしたか?1つでも当てはまる方は、睡眠に問題がある可能性が大です。

睡眠は個人差が大きいから「睡眠日誌」が効果大

人は起きて活動している以上、必ず疲れが生じます。今の医学では十分な睡眠をとる以外に疲れを回復させるすべはありません。しかしその睡眠に問題があると、疲労はどんどん蓄積してしまいます。
すると、だるいなどの体調不良を引き起こすだけでなく、思考力や判断力が低下したり、注意力が衰えたり、反応が鈍くなって動作も緩慢になるなど、日中のパフォーマンスも大きく低下してしまうことに。

でも逆に考えれば、良い睡眠がとれれば、身体的・精神的パフォーマンスを今よりアップさせることができるということです。実際多くの研究で、質のよい十分な睡眠をとることで記憶力や洞察力、作業スキル、運動能力がアップすることがわかっています。

では、どのくらい、どんな睡眠をとるのがベストなのでしょう?

6時間寝れば十分という人もいれば、10時間寝ても足りない人もいます。睡眠は個人差が大きいものですが、それは人それぞれ体質が違うように、睡眠の質が個々人で異なるからです。
10時間眠る人はもともと睡眠の質が悪い、すなわち睡眠中の疲労回復力が低いタイプである可能性があります。

睡眠は「量(時間)」とともに「質」が大切であり、必要十分な睡眠時間は個々人の睡眠の質によって異なります。
最も重要なことは「質のよい睡眠をとれる自分に合った方法」を見つけること。
そのために「睡眠日誌」をつけて、自分の睡眠を知ることがとても有効です。

ポイントは「目覚めてすぐの疲労感」

上のシートは梶本先生のクリニックで実際に患者さんに書いていただいている睡眠日誌のシートです。
1カ月分書き込めるシートがコチラからご覧いただけます。プリントアウトしてぜひご活用下さい。

就寝時刻と起床時刻、日中や寝る前にどんなことをしたかなどを記録します。備考の欄には寝つくまでにかかったおおよその時間と、夜中に目が覚めた(中途覚醒)のは何回か、その時間はどのくらいで、どう過ごしたかなどをメモしておきましょう。

一番のポイントは、シート中央の「起床時の疲労感」を、毎朝目覚めてすぐにチェックすること。目覚めてベッドから立ち上がり、トイレに行ったときの寝ぼけた状態で書き込むのがベストです。

睡眠は「質」が大切ですが、「質」は朝起きたときの疲労度の残り具合いで判断するのが最もよい方法だそうです。
しかし、その日にデートなど楽しみな約束があると、気分が高揚して疲労を感じないこともあるでしょう。逆に今日の会議は面倒くさいと思ったら、朝から憂鬱な気分でだるくなります。
そうした意識や判断が働く前、目覚めてすぐのボーッとしているときが、一番正直に疲労度を感じられるのです。

目覚めたらまずトイレに行くという方は、このシートをトイレの壁に貼っておき、毎朝記入するのがおすすめです。
疲労感は人と比較するものではないので、自分の感覚で日々の差を比較して書き込めば大丈夫です。
この睡眠日誌を毎日、最低1カ月以上つけてみましょう。

記録することで、初めて自分の睡眠を客観的にとらえることができます。意外に眠れていたと気づいたり、寝ていると思っていたけど睡眠不足だったと気づいたり、自分の睡眠の特徴や特性などさまざまな発見があります。

「振り返り」で自分だけの「睡眠取扱説明書」を作る

日誌をつけるだけでも多くの気づきがあるのですが、定期的に「振り返り」を行うことで、さらに自分にピッタリな睡眠に近づくことができます。
下のような振り返りシートを作成してみましょう。

振り返りシート


  • 平均睡眠時間(平日)・・・  時間
  • 平均睡眠時間(休日)・・・  時間
  • 寝つくのにかかった時間の平均・・・  時間
  • 途中目が覚めていた時間の平均・・・  時間
  • 睡眠効率の平均・・・  
  • どんな行動が良い睡眠をもたらした?
    • (          )
    • (          )
    • (          )
    • (          )
    • (          )
  • どんな行動が悪い睡眠をもたらした?
    • (          )
    • (          )
    • (          )
    • (          )
    • (          )

(梶本先生著書『スッキリした朝に変わる睡眠の本』より)

「睡眠効率」とは、ベッドにいた時間のうちどれだけ実際に寝ていたのかを表す指標であり、その名の通り睡眠の効率を示すものです。睡眠効率は次の式で求めることができます。
実際に寝ていた時間÷ベッドにいた時間×100 = 睡眠効率
計算の結果が85%以上であれば、質のよい睡眠であると言えます。
毎日の睡眠効率を計算し、1カ月の平均を出してみましょう。

振り返りシートの記入ができたら、下記の4つの点に気をつけて振り返りをしてみましょう。

1. 変化に注目する

長期の変化に注目することで、新たな気づきを得ることができます。
たとえば、月曜日は睡眠の調子が良くないことがわかったとき、その日の行動だけを見ていても原因には気づきにくいものですが、1週間単位で見ると土日の起床時刻のズレが月曜に影響していたということに気づくことができます。

2. 日中の体調との関係を見る

良い睡眠とは「疲れがとれる睡眠」ですから、日中に疲れを感じず調子が良いということが指標になります。
日中の調子と日誌を照らし合わせながら、どんな睡眠のときに自分は調子が良くなるのかという視点で振り返りを行うことで、ピッタリな睡眠を見つけることができます。

3. 自分だけの法則性を見つける

たとえば、10時間寝たときに一番調子が良い、◯◯を実行すると睡眠が良くなったなど「良い睡眠のための法則」や、◯◯があるときは調子が悪い、寝つきが悪くなったなど「悪い睡眠が起こる法則」を見つけ出しましょう。
法則がどんどん見つかってくると、どうすれば良い睡眠を得ることができ、どうすれば悪い睡眠を避けることができるのかがわかるようになります。

4. 自分の「睡眠取扱説明書」をつくる

自分の睡眠にはどういう特徴があって、どんなふうに睡眠をとればベストなのか、そしてそのためにはどんな行動をとればよいのか。そんな自分だけの睡眠取扱説明書をつくることができれば、自分だけの理想の睡眠を実現できるようになります。

わたしの睡眠取扱説明書


  • わたしの最適な睡眠時間は・・・
  • わたしの快眠のヒントは・・・
    1. (          )
    2. (          )
    3. (          )
  • わたしの悪い睡眠のサインは・・・
    1. (          )
    2. (          )
    3. (          )
  • 睡眠が悪い時はこれをしよう・・・
    1. (          )
    2. (          )
    3. (          )
  • 自分の睡眠の特徴・注意点
    1. (          )
    2. (          )
    3. (          )

(梶本先生著書『スッキリした朝に変わる睡眠の本』より)

朝の疲労度でその日の生活を上手にコントロール

今朝は疲れがとれていないな、しんどいなと思ったとき、その理由として考えられるのは3つしかありません。「睡眠の時間が短い」、「睡眠の質が悪い」、「前の日の疲労が大きくてとれていない」のいずれかです。

睡眠日誌をつけていると、昨日は十分に寝たけど運動量が少し多過ぎたとか、仕事量が多かったとか、あるいは上司に腹が立っていてイライラしてた…そうしたことがわかるようになってきます。
すると、その日1日の過ごし方を朝に決めることができるようになります。

「今朝の疲労度は30%くらいだから、今日はあと70%分の仕事しかできない。だからこの作業は明日に回そう」とか、「飲みに行くのはやめておこう」など、自分のその日の行動を朝に決めることが可能です。
もちろん、その日にこなさなくてはいけないスケジュールはあるでしょうが、その中でも力の入れどころは変えることができるものです。

自分で行動を調節することでだんだん疲れを持ち越さなくなり、睡眠の質がアップしていきます。睡眠日誌はそのためのツール。睡眠に不満や悩みがある方こそ、ぜひ試してみてください。

自分の睡眠について分かっているようで、実はほとんどの人が分かっていないもの。就寝時間や起床時間くらいは習慣として分かっていても、寝る前に何をして、その結果睡眠にどんな影響が出たのか。さらには1週間前の睡眠はどうだったのかということになると、憶えている人はほとんどいないのではないでしょうか。
眠れない人も、寝ても寝ても眠いという人も、睡眠日誌で自分の睡眠分析をしてみてはいかがでしょうか?

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