睡眠ライブラリー

ビジネスマンの睡眠改善は「夕方からの生活習慣」がポイント!

忙しくても、ちゃんと眠るためにはどうすればいい?

『RESM(リズム)新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック』院長で、日本睡眠学会認定医の白濱龍太郎先生に快眠のポイントを聞いてみた! シリーズの第3弾。

今回は、仕事が忙しくて「睡眠のことなんて気にしてられないよぉ〜」というビジネスマンや、育児などでどうしても不規則な生活リズムを強いられてしまう人に、ぜひ役立てていただきたいアドバイスです。

今、日本では睡眠への注目度が高まっています。この『世界睡眠会議』も毎日たくさんの方に訪れていただいているのですが……。「本来、人間は朝起きたらスッキリしてアクティブに活動できるはず。睡眠の質など、気にすることなく生活できるのがベターです」(以下、太字は白濱先生からのアドバイス)と白濱先生。睡眠の情報にアクセスが多いのは、自分の睡眠に問題を感じている人が多いことの裏返しでもあり、白濱先生の病院にも、睡眠に悩みを抱えた人がたくさん相談や診察に訪れているのです。

でも、きちんと眠れないことによって、仕事のパフォーマンスが落ちたり、毎日の生活が楽しめなくなってしまうのは大問題。多忙な生活のなかでも、睡眠の質を改善するための「いい方法」はないものでしょうか。

白濱龍太郎先生に聞いてみました!

睡眠について考えれば考えるほど、いったい、自分の場合はどれくらい眠るのが理想の睡眠時間なのか、よくわからなくなってきてしまいます。

そこで、先月お届けした『不眠症かも? と悩む前に知っておきたい原因や対策』でも役立つ情報をいろいろと教えてくださった、『RESM(リズム)新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック』院長で、日本睡眠学会認定医の白濱龍太郎先生に、お話しを伺いました!


白濱龍太郎先生
筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了(医学博士)。東京医科歯科大学呼吸器内科、東京共済病院呼吸器内科、東京医科歯科大学睡眠制御学睡眠センターを経て、現在、医療法人RESM理事長。社会医学系指導医、日本睡眠学会認定医、日本医師会認定産業医。
著書:『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)『人生が劇的に変わる睡眠法』(プレジデント社)『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)など

白濱先生のアドバイス

飛行機の着陸をイメージしてみよう!

多忙な人が睡眠の質を高めていくための具体的なアドバイスを紹介しているのが、白濱先生の著書『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)です。この本で紹介されているアドバイスのポイントは、「眠りの質を高めるためには、夜寝る前ではなく、夕方から睡眠を意識してみる」ということです。

『世界睡眠会議』でも、睡眠の質を高めるための生活術として、朝起きてから夜眠るまでの生活習慣のアドバイスである「ぐっすり心得」をオススメしています。とはいえ、仕事などに追われる人が、一日中「眠り」を意識して生活するのはなかなか難しいのも現実です。

「この『世界睡眠会議』の記事を読んでいる方ならすでにご存じかもしれませんが、眠気は深部体温が下がるときに感じます。正しい生体リズムを刻んでいれば、起床から約11時間後、つまり朝6時に起床した場合、17時ごろに最も深部体温が高くなって、次第に下がっていきます。そして、入浴でまた少し上がった深部体温が下がるときにベッドに入れば、スムーズに眠りやすいということです」

「人間は、電気製品のスイッチをオンオフするように眠ることはできません。昼間、交感神経の活動が優位な状態から次第に副交感神経が優位になることが眠りの質を高めるために有効ですが、たとえば、オスプレイのように垂直降下で着陸することは難しいのです。旅客機が徐々に高度を下げて着陸するようなイメージで、ほんの少しだけ眠りを意識した夕方以降の生活習慣を心掛けてみてください」

なるほど! 睡眠に向けて、夕方から少しずつ心をリラックスさせることが大事っていうことですね。わかりやすいかも!

とはいえ、具体的にはどんなことに気をつければいいのでしょうか……。

白濱先生のアドバイス

帰りの電車ではネクタイを外してみよう!

スムーズな着陸=入眠に向けて、夕方から心を解きほぐすためのアドバイス。白濱先生が提言する具体的な方法を伺いました。

「たとえば、帰りの電車でもきちんとネクタイをしているビジネスマンの方が多いことを、いつも不思議に感じています。私自身、講演のときなどにはネクタイを締めますが、移動の新幹線のトイレで締めて、講演が終わるとすぐに外してしまいます。帰りの電車ではネクタイを外す。女性の方であればまとめていた髪をほどくなど、仕事中の緊張を緩めるように配慮して、少しでも副交感神経が優位になるようにしてみることがオススメです」

スーツでネクタイをしていないと落ち着かなくて、という方がいるかもしれません。でも、夏に向けて「クールビズ」が広まったように、ネクタイを外してもお洒落をキープする工夫をして、「リラックスビズ」を楽しむのはいかがでしょうか。

白濱先生のアドバイス

残業前に肩甲骨まわりのストレッチをする!

前述したように、深部体温は夕方が最も高くなります。逆にいうと、17時ごろを目安にした夕方、しっかりと深部体温を上げておくことが、睡眠の質を高めるために有効なのです。

とはいえ、残業がある日も多いでしょうし、フィットネスクラブなどに通ってしっかりと運動するのが思うに任せないこともあるでしょう。でも、必ずしもそんなに激しいトレーニングを行う必要はありません。

「肩甲骨を動かすことを意識して、5分程度、簡単なストレッチをするだけで十分です。肩甲骨の周囲には褐色脂肪細胞という、体温を上げる働きをする細胞が集まっています。だから、肩甲骨をしっかり動かしてあげるだけで、効率的に深部体温を上げることができるのです」

具体的なやり方を紹介しておきましょう。ストレッチは、椅子に座ったままでOKです。

  1. 胸を張って上腕をもう片方の腕で支えながら肘を伸ばします。
  2. ゆっくりと上半身を前に倒します。
  3. 肩甲骨の動きを意識しながら上体を捻り、肩を前に押し出すようにして肩甲骨を伸ばします。

たった、これだけ!

5分程度を目安にして、左右両方の肩甲骨をしっかり動かしてみてください。

「大切なのは、肩甲骨をしっかりと動かして深部体温を上げること。メジャーリーグで活躍している前田健太選手が試合前などに行うことで有名なマエケン体操を行うのもいいでしょう。また、両肘を外側に張って、肩甲骨を意識しながら腕をぐるぐる回す運動でもいいですね」

肩甲骨を動かすのは、肩こりの解消などにも効果があるとされています。仕事が終わった時、あるいは残業前に、手軽にできる運動として習慣にしてみてくださいね。

「ぐっすり心得」その5にあるように「夕方以降(電車の中も!)は居眠りしない」ことも大事なポイントと白濱先生。著書である『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』でも、さらにさまざまなノウハウが紹介されていますから、ぜひ読んでみてください。


『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)
SB新書ウェブサイトAmazon

睡眠の質を高めるためには、夕方以降、リラックスすることが大事、といっても「たとえば、ロックのコンサートに行くと興奮するからダメ、ということではありません。日常的な生活習慣として、上手にリラックスして、スムーズに眠りに着陸できるように意識するということ」ですから、あまり神経質になる必要はありません。

ともあれ、あまりたくさんのことをやろうとしても、続かずに嫌になってしまいがち。まずは、帰りの電車ではネクタイを外す(女性は髪をほどく)、夕方、肩甲骨のストレッチを習慣にするという2つのポイントを実践してみることがオススメです。

Have a good sleep!

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