寝る前にチョコレートを食べると安眠できるって、本当ですか?

睡眠ライブラリー
白濱龍太郎先生の睡眠なんでも相談~その2

寝る前にチョコレートを食べると安眠できるって、本当ですか

日本睡眠学会認定医の白濱龍太郎先生に、眠りに関する悩みを相談します。第2回目は「寝る前にチョコレートを食べると安眠できるって、本当ですか?」という質問です。

結論は「たくさん食べると逆効果!」(白濱先生)です。寝る前に小腹が空いたらどうするべきか、白濱先生からのアドバイスをご紹介します!

チョコレートが睡眠の質を上げるといわれる理由とは?

たしかに、チョコレートの原料であるカカオに含まれる「GABA」や「カカオポリフェノール」には、睡眠にも影響するリラックス効果などがあることが報告されています。とはいえ「だからチョコレートを食べると安眠できる」と考えるのは短絡的に過ぎますね。

そもそも、寝る前にものを食べない方がいいとされている理由は、交感神経を働かせるような行為が睡眠の質を下げるからです。

糖分が多いチョコレートを食べると血糖値が上がります。すると、身体の中ではインシュリンなどが分泌されて血糖値を下げようとする一方で、血糖値の下降をリカバリーするために交感神経が活性化してしまう、つまり、睡眠の質を下げることにつながります。

チョコレートにリラックス効果があるといっても、薬ではありません。含まれている成分がすぐに効果を発揮するほどの量を摂取するのは、明らかに「食べ過ぎ」ですからね。

また、チョコレートの中にはカフェインなど安眠には逆効果となる成分が含まれたものがあるので要注意です。

個人の嗜好として、歯を磨く前に一粒ほおばる程度であれば、さほど問題はないでしょう。でも、眠れないからチョコレートを食べよう、と考えることはあまりオススメできません。

チョコレート

どうしても「小腹が空いた」時、何を食べればいいでしょう?

難しい質問ですね。

年末年始は忘年会や新年会、春になれば歓迎会など、酒宴の機会が増える時期ですが、飲んだ帰りに「ちょっとラーメン」は、絶対にやめたほうがいいのは言うまでもありません。

ひじきなどの海藻類は睡眠への影響が少ないともいわれていますが、読者のみなさんが「食べたい」のは、もっとお腹にたまるもの、でしょうし。

あまり満腹過ぎるのも眠りにはよくないですから、小腹が空いたと感じるのは身体が眠りモードに入っていることを示すいい傾向でもあるのです。

ただ、あまりにも空腹だとリラックスできないので、ベッドに入る2時間前までを目安に、きちんと夕食をとる生活習慣を大切にしてください、ということになります。

どうしても何かを口にしたい! という時は、固形物を食べることは避け、ホットミルクなど刺激が少なくて温かい飲み物にしておくのが睡眠への影響を減らすためにはいいですね。

ただし、ホットミルクも「飲めば眠れる」というものではありません。あくまでも、ベッドに入る直前に何かを食べるのは睡眠の質を下げる可能性が高くなることを忘れないようにしてください。

【まとめ】
安眠には基本的な生活習慣が大切、ということですね!

「チョコレートを食べると安眠できる」というのが、ありがちな都市伝説だということがよくわかりました。

チョコレートが好き! という方の場合は「夕食後のデザートとして少し食べるのがいいですよ」(白濱先生)というアドバイスもいただきました。

チョコレートに限らず、質のいい睡眠は「何かひとつ」のコトや食べ物で得られるものではありません。『ぐっすり心得』でご紹介しているように、毎日の生活習慣を「眠り中心主義」に整えていくのが、一番の近道ということですね。

「眠り中心主義」の生活習慣は、決して難しかったり面倒なものではありません。また、自分のライフスタイルに合わせて「できるコト」を無理なく実践していくのがオススメです。ぜひ試してみてください!

(世界睡眠会議編集部)

白濱龍太郎先生
白濱龍太郎先生
筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了(医学博士)。東京医科歯科大学呼吸器内科、東京共済病院呼吸器内科、東京医科歯科大学睡眠制御学睡眠センターを経て、現在、医療法人RESM理事長。社会医学系指導医、日本睡眠学会認定医、日本医師会認定産業医。
著書:『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)『人生が劇的に変わる睡眠法』(プレジデント社)『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)など

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