千葉伸太郎先生に聞いてみました

「いびきを止める」
いい方法はありますか?

「いびきを止める」いい方法はありますか?

治せるものなら治したい!

あなたはいびきをかきますか?

面と向かってそう尋ねられたら、「はい」とは答えにくいですよね。でも、たかが「いびき」とあなどってはいけません。花粉症の季節にもぐっすり眠る3つのポイントは? で紹介したように、いびきの原因は喉の気道が狭くなること。いわば、呼吸がスムーズにできない状態なので、長時間眠っても疲れが取れないと感じるなど、眠りの質を下げる原因にもなるのです。

なんとか、いびきを止めるいい方法はないものか。毎日たくさんの「眠りに悩みを抱えた」患者さんを診察している千葉伸太郎先生(太田睡眠科学センター所長)に聞いてみました。

千葉伸太郎先生
千葉伸太郎先生
太田総合病院記念「太田睡眠科学センター」所長。一般社団法人良質睡眠研究機構(代表理事:西野精治氏)専務理事。東京慈恵会医科大学准教授。日本睡眠学会事務局長(認定医)、日本耳鼻咽喉科学会専門医。

自分のいびきに気付いていない人もいるのでは?

千葉伸太郎先生

その可能性はありますね。どのくらいの人がいびきをかいているのかについてはさまざまな調査結果がありますが、40歳代の女性の20%程度、成人男性では50%程度の人たちが自分のいびきを自覚しているのではないかと思われます。

とはいえ、いびきの調査は「時々かく」のか「毎日かく」のかといった設問によって回答がぶれたり、いびきを自覚できていないケースが多く、また、とくに女性にはいびきをかくことを恥じる気持ちが強いので、なかなか正確なデータを取るのは難しいのが現状です。

千葉伸太郎先生

いびきには、どんなリスクがありますか?

千葉伸太郎先生

注意してほしいことが2つあります。ひとつは、同じ部屋で寝ている家族などに対する騒音障害です。単純に迷惑を掛けてしまうばかりでなく、途中で目が覚めて眠れなくなってしまったりして、睡眠の質を大きく損なう懸念があります。

もうひとつ注意して欲しいのが、いびきをかいている本人が睡眠時無呼吸症になっている可能性があることです。無呼吸症は速やかに治療すべき疾患です。いびきはその症状のひとつであり、毎日のようにいびきをかくひとの一部に、自分でも気が付かないうちに無呼吸症になっている人がいるということです。

睡眠ライブラリー:放置は禁物!『睡眠時無呼吸症』の基礎知識

やっぱり、いびきは病院で治療したほうがいいですか?

千葉伸太郎先生

いびきそのものは治療が必要な病気ではありませんから、慌てて受診する必要はありません。ただし、一緒に寝ている家族があまりに煩くて眠れないといった悩みを抱えているようであれば、受診して治療することをお勧めします。

また、先ほど挙げた睡眠時無呼吸症の疑いがある場合は、早めの受診を考えるべきでしょう。医学的な原因が思い当たらないにも関わらず次のような自覚症状がある場合は、睡眠時無呼吸症を疑うべきといえます。

注意すべき無呼吸症の自覚症状とは?

  • 家族などからいびきの途中で呼吸が止まっていると指摘される。
  • 頻繁に中途覚醒する。
  • 朝起きた時に頭痛やだるさを感じる。
  • とくに病気ではないのに血圧が高い。
  • 頻尿になった。
  • 逆流性食道炎(胸焼け)がよく起こる。

病院ではどんな治療をするのでしょう?

千葉伸太郎先生

医療機関で無呼吸症であると診断されると、今、広く行われているのが『CPAP(シーパップ=持続陽圧呼吸療法)』という医療機器を使った治療です。CPAPは、鼻に装着したマスクに機械で圧力を掛けた空気を送り込んで睡眠時の呼吸をサポートします。

CPAP(シーパップ=持続陽圧呼吸療法)

比較的重症ではない場合には、その人に合わせて作った口腔内装置、つまりマウスピースを装着する方法を選ぶこともあります。さらに、患者さんによっては寝姿勢の改善などの代替治療を行ったり、場合によっては扁桃腺の切除といった外科手術を選択するケースもあります。

CPAPは無呼吸症に対してとても効果的な方法ですが、装着している時にしか効果はありません。また、無呼吸症と診断されれば保険が適用されますが、ただのいびき改善のために使う場合は全額自己負担となります。マウスピースを作る場合でも、無呼吸症という診断がなければ自己負担になるのは同様です。

CPAPでもいびきが治るわけではないんですよね?

千葉伸太郎先生

CPAPもマウスピースも、装着時にいびきを含めて改善が期待できる治療法です。根本的にいびきの原因を治療できるわけではありません。いびきの原因、つまり「いびきをかきやすい人」には、おもに以下のような傾向があります。

いびきをかきやすい人の傾向

  • 顎が小さい。
  • 鼻中隔湾曲症(鼻が曲がっている)
  • 鼻づまりがある。
  • 扁桃腺が大きい。
  • 肥満ぎみ。
  • お酒を飲んでいる。

根本的な原因を取り除くのがいびきを軽減することに繋がるのですから、たとえば肥満ぎみの方は「まず痩せる」ことが大切ということになりますし、慢性的に鼻炎気味であるような場合には、鼻の治療で効果が出ることもあるわけです。もともと顎が小さい場合、手術といっても困難なケースが多いので、たとえばマウスピースで顎をサポートする治療方法を選択することになります。

また、過度な飲酒は筋肉を弛緩させる作用があるので気道が狭くなりやすく、いびきをかきやすくなったり、ひどくなる可能性が高まります。また、呼吸中枢の働きにも影響すると言われています。お酒はほどほどにする生活習慣が、いびき防止にも効果的ですね。

市販のいびき対策グッズって、どうなんでしょう?

※ネット通販やドラッグストアなどで手軽に入手できる「いびき対策グッズ」への講評をお願いしました!

千葉伸太郎先生

ここにあるアイテムは、どれもOKですね。ただし、こうしたアイテムはその人のいびきの原因に合わせて使ってこそ有効であることに留意してください。いずれにしても、口が開いてしまうことを抑えたり、鼻呼吸をサポートするのはいびき軽減に効果的といえるでしょう。ご自身のいびきの原因に合わせたグッズを活用するといいですね。

いびき対策グッズ その1
鼻孔拡張テープ『ブリーズライト』
鼻孔拡張テープ『ブリーズライト』

プラスチックバーを粘着テープで貼って鼻孔を広げてくれるアイテム。サイズや強度などにいくつかのバリエーションがある。

世界睡眠会議スタッフの感想
慢性的に鼻づまりぎみだけど、ブリーズライトを装着していると鼻呼吸が楽にできる印象がある。気のせいかも知れないけど熟睡感がアップしました!

いびき対策グッズ その2
口呼吸防止テープ『ねむるん』

口呼吸防止テープ『ねむるん』

口を閉じて眠る習慣をサポートするテープ。肌荒れなどがしにくい素材を使用している。

世界睡眠会議スタッフの感想
極薄テープで装着しても意外と違和感はない。でも、1枚だけだと朝起きた時には剥がれていることが多く、3枚貼りまで試してみました。ブリーズライトとの併用で、鼻呼吸が促される実感はあります。

いびき対策グッズ その3
いびき防止『顎固定サポーター』

いびき防止『顎固定サポーター』

Amazonで同様のアイテムがいろいろ出品されていたが、1150円と安価だったコレをチョイス。口が開かないよう顎を押さえてくれるサポーター。

世界睡眠会議スタッフの感想
体感担当スタッフ自身は、顔(頭)がデカすぎるのかサイズが窮屈過ぎて装着したまま寝ることは不可能でした……。顔の小さい女性に試してもらったところ「いびきはかかなかったけど、やっぱりひと晩中付けてるのは窮屈」とのこと。慣れが必要なようです。

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千葉先生が考案した『スースーマネージャー』!

ちなみに、いびきを軽減するためには「横向き(側臥位)」に寝るのも有効で、千葉先生の考案&監修で『スースーマネージャー』という横寝サポートギアが開発されました。背中をしっかりサポートして横向き寝の姿勢を保ち、足で挟み込む部分の形状を自由に変えられる抱き枕です。

スースーマネージャー

詳しくは追ってご紹介できる予定です!

まずは、自分のいびきをチェックしてみよう

いびきは病気ではないので必要以上に神経質になる必要はないものの、あまりに騒音がひどい場合や、睡眠時無呼吸症の心配がある場合は、医療機関で受診してきちんと治療をしたほうがいい。そして、対策グッズでいびきを軽減することはできるけど、たとえば「肥満が原因になっている場合はちゃんと痩せる努力をすることが肝心」(千葉先生)ってことですね。

ちなみに、男性の中年太りを含め、一般的に加齢は無呼吸症のリスクを高める要因になるそうです。女性も加齢によって女性ホルモンの働きが弱まることで、いびきをかきやすくなったり、無呼吸症になってしまうケースもあるとのこと。

家族に尋ねるのが恥ずかしいという方は、「いびき」かいていない? 無料アプリでチェックしてみようでご紹介しているアプリなどを活用して、自分のいびきを手軽に確認することもできます。いびき対策は、快眠生活への大事なステップ。一度チェックしてみることをオススメします。

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